鍼の施術は腰痛に効く?保険が適用されるかについても解説!

多くの人の悩みである腰痛…。腰痛は鍼の施術によって緩和されることもあります。しかし、「鍼の施術で保険は使える?」「鍼の施術は痛くない?」などの不安に思う方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、鍼の施術が腰痛に効果があるのか、保険は使えるのか、どんな鍼を使うのかなどについて解説していきます。

腰痛に鍼は効くのか

腰痛は、鍼の施術で効果を得られる疾患の1つです。しかし、腰痛の種類には様々なものがり、鍼の施術が効かない腰痛もあります。

鍼の施術で症状が緩和される腰痛 鍼の施術で症状が緩和されない腰痛
ぎっくり腰
慢性化した腰痛
筋筋膜性腰痛
坐骨神経痛
椎間板ヘルニア    など
尿管結石や胆石が原因の腰痛
排尿や排便の異常を伴う腰痛
下肢の運動麻痺や知覚麻痺が酷い腰痛
脊髄の腫瘍が原因の腰痛
腰椎や胸椎の骨折が原因の腰痛など

 
上記を参考に鍼の施術効果が得られる腰痛の場合は、鍼の施術を選択してもよいでしょう。一方、鍼の施術効果が得られない腰痛の場合は、すぐに病院で医師の診察を受けるようにしてください。

また、鍼の施術を行うことで緩和される疾患は、腰痛だけではありません。鍼の施術は、以下のように様々な疾患に効くとされています。

  • 頭痛
  • めまい
  • 不眠
  • 低血圧や高血圧
  • 動脈硬化
  • 腱鞘炎
  • 貧血
  • 糖尿病
  • 膀胱炎
  • 腎炎
  • 冷え性
  • 耳鳴り
  • 鼻炎
  • 眼精疲労    など

鍼によって腰痛が緩和される仕組み

鍼の施術は、人の身体に361ヶ所あるツボを鍼で刺激するものです。ツボは、体内を流れるエネルギーや血液、リンパ液などが通る道(経路)の集合体にあたります。腰痛を含む身体の不調は、経路が滞ってしまうことで引き起こると考えられています。

したがって、ツボを刺激して経路の滞りをなくし、体内を流れるエネルギーや血液やリンパ液などをスムーズにすることで腰痛が緩和されるということなのです。

腰痛のツボを3つ紹介!

腰痛に効くとされるツボはいくつかあります。今回は、以下の3つのツボをご紹介します。

  • 大腸兪(だいちょうゆ)
    背骨と左右の骨盤のラインが交わるところにある
  • 腎兪(じんゆ)
    へその裏側で、ちょうどウエストのくびれラインの背骨から指2本分外側にある
  • 合陽(ごうよう)
    膝を曲げたときにできる溝の真中から指3本分下側にある

鍼は痛くないのか

鍼の施術を受けたいと思っていても、鍼は痛くないのかと不安に思うかもしれません。しかし、鍼の施術で使用する鍼は、以下のように注射針と異なるつくりになっています。

  • 鍼灸施術用の鍼:鍼の太さは約0.14~0.34mmで、鍼の先端は丸みを帯びている
  • 注射針:針の太さは約0.7~0.9mmで、針の先端はナイフのようにカットされている

上記のように、鍼灸の施術で使われる鍼は、細く丸みを帯びているため、痛みをあまり感じないといわれています。

腰痛で鍼の施術を受けても保険は適用される?

鍼による施術費用は、1回4000~1万円程度と日本鍼灸師会が公表しています。このように鍼灸院によってバラつきがあることがわかります。ただし、鍼による施術は、以下のような特定の疾患において健康保険を使用することができます。

  • 神経痛(例:坐骨神経痛)
  • リウマチ(例:急性・慢性のもので各関節が腫れて痛むもの)
  • 腰痛症(例:慢性の腰痛、ギックリ腰など)
  • 五十肩(例:肩の関節が痛く、腕が挙がらないもの)
  • 頚腕症候群(例:首から肩、腕にかけてのしびれや痛みがある場合)
  • 頚椎捻挫後遺症(例:首の外傷、むちうちなど)
  • その他これらに類似する疾患

上記に「腰痛症」とあるように、腰痛の場合は健康保険が使えることがわかります。では、鍼灸院で健康保険を使う場合は、どのようにすればいいのでしょうか。

鍼の施術で保険を使う手順

鍼の施術で保険を使う場合は、以下の手順を踏んで手続きを行いましょう。

  • ①通院する予定の鍼灸院に問い合わせる。
  • ②問い合わせた鍼灸院で「同意書」を受け取る。
  • ③いつも治療を受けている病院に同意書を持参し、必要事項を記入してもらう。 
  • ④記入してもらった同意書と保険証、印鑑を鍼灸院に持参する。

上記の手続きを行えば、その後の手続きは鍼灸院で行います。また、鍼の保険適用にはいくつか注意すべき事項があります。

    【鍼の施術で保険を使う場合の注意事項】

  • 施術を受ける疾患において、先に医師の治療を受けていること。
  • 保険を使って鍼の施術を受けている間、その疾患については医院、病院にかかることができない。(ただし、他の病気の治療は受けられます。)
  • 同意書を記入してもらう場合は、日頃かかっている医師に依頼する。
  • 最初に医師の同意を受けてから、3ヶ月毎に再度、同意が必要になる。ただし、再度の同意は口頭でよい。
  • 保険の種類によっては、取り扱いが出来なかったり、患者さん本人が手続きをしなければならないものある。

腰痛に対する鍼の施術についてのまとめ

いかがでしたか。鍼の施術によって、腰痛が緩和される疾患もありますが、鍼による施術が向いていない腰痛もあるので注意が必要です。

また、腰痛は健康保険が適用されるため、費用の負担を軽減させることも可能です。鍼の施術で健康保険を使う場合は、今回の記事でご紹介した手順を参考にしてみてください。