整骨院とは 知っておきたい基本の知識を解説!

街でよく目にする「整骨院」、実際にどんなことをする場所なのか知っていますか? また「整体院」や「接骨院」との違いは、一体何なのでしょうか? 今回は、整骨院について知っておくときっと役に立つ基礎知識をご紹介します。

整骨院とは

整骨院では、骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷(ざしょう)などの症状に対して、国家資格である柔道整復師が施術を行います。

  • 柔道整復師とは
  • 骨折や打撲、捻挫など様々な症状に対し、手術を行わない方法で施術を行う国家資格を持つ者。

整骨院で行う施術は、手を使った手技療法が中心です。手技療法では、体の痛む部分やその周辺に触れて施術を行います。そのため、どんな症状が起こっているか分かりやすいというメリットがあります。ほかにも、症状に合わせ物理療法や運動療法を用いる場合もあります。

また整骨院には、土日祝日や19時以降といった夜の時間帯にも営業している場合もあります。仕事やプライベートの都合に合わせて通院しやすいところも利点のひとつです。

整骨院で健康保険は使える?

整骨院では、自身の加入する健康保険を使って通院することができます。
しかし、健康保険が使えるケースと使えないケースがあります。

まず、保険が使えるのは「急性(慢性化していない)」で「外傷性」の怪我のみです。
具体的には、骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷(ざしょう)です。
ただし、骨折と脱臼については、応急処置といった緊急の場合を除き、事前に医師の同意を得る必要があります。

また、単なる肩こりや筋肉疲労などによる施術は、保険適用の対象にはなりません。そのため、普段から肩こりがひどいといった理由で整骨院で施術を受ける場合には、全額自己負担になります。

整骨院と接骨院・鍼灸院・整体院・整形外科の違いとは

整骨院と同じように、「接骨院」、「鍼灸院」や「整体院」という施設もよく目にしますが、具体的にどんなところが違うのでしょうか。また、整形外科のような病院との違いについても解説します。

接骨院との違い

実は、整骨院と接骨院は名前以外に違いはありません。名称が異なるだけなので、整骨院と同じく柔道整復師が施術を行います。
また、柔道整復師の施術は、古くから骨接(ほねつぎ)とも呼ばれています。そのため、柔道整復師が施術を行う施設は、接骨院・整骨院の他に「ほねつぎ」という施設もあります。

鍼灸院との違い

鍼灸院では、国家資格であるはり師・きゅう師が施術を行います。はりやお灸による施術が、自律神経系や免疫系に作用し、症状の回復を手伝います。
鍼灸師とは、はり師ときゅう師の資格を、2つとも持っている人のことです。また、「鍼灸整骨院」というような施設もあり、鍼灸と柔道整復を両方行っている場合もあります。
神経痛、リウマチ、腰痛症、五十肩、頚腕(けいわん)症候群、頚椎捻挫(けいついねんざ)後遺症などの症状で、医師の同意がある場合に健康保険が適用されます。

整体院との違い

整体院とは、主に指圧やマッサージを行う施設です。整体師という民間資格の有資格者が施術を行う場合もありますが、無資格者であっても開業することができます。また、リラクゼーションが主な目的のため、保険は適用されません。

整形外科との違いは?

整形外科は、医師が筋肉や骨・関節、手足の神経などを専門的に診察します。レントゲンやMRI・CTといった詳細な検査を受けることも可能です。症状にあわせて投薬、注射、手術、リハビリテーションなどの治療を行います。

以下に鍼灸院、整体院、整形外科の整骨院との違いをまとめました。

違い 整骨院(接骨院) 鍼灸院 整体院 整形外科
資格の有無 柔道整復師(国家資格) はり師・きゅう師(国家資格) 整体師(民間資格)無資格の場合もある。 医師(国家資格)
主な内容 主に手技療法 はりやお灸 指圧やマッサージ 投薬、手術、リハビリ
保険の適用 急性で外傷性の症状に適用。医師の同意が必要な場合もある。 限られた疾患に適用され、医師の同意が必要。 リラクゼーション目的のため不可 適用される
レントゲンやCT・MRI検査 不可 不可 不可 可能

レントゲンやMRI・CTといった詳細な検査や、診断書の発行、薬の処方は、医師がいなければ行えません。
整骨院で施術を受ける前に、念の為にレントゲン検査を受けたいというような場合には、整形外科を受診する必要があります。
ただ、整形外科と提携している整骨院もあるので、確認や相談をしてみるといいでしょう。

整骨院で行う主な施術

では、整骨院では具体的にどのような施術が行われているか見ていきましょう。
柔道整復師が行う施術は主に「整復法」「固定法」「後療法」の3つがあります。

整復法

整復法とは、脱臼や骨折をしたときに、手で揉んだり伸ばしたりして元の状態に戻す方法です。

固定法

固定法とは、脱臼や骨折をしたときに、包帯やギブスなどを使い患部を固定する方法です。

後療法

後療法とは、患部を回復させるために、さまざまな刺激を与える方法です。後療法には大きく分けて「手技療法」「物理療法」「運動療法」の3つがあります。

  • 手技療法
  • 手で患部に触れ、刺激を与えることで自身の回復力を高める方法です。

  • 物理療法
  • 電気や熱などの物理エネルギーで、刺激を与える方法です。

  • 運動療法
  • 運動によって身体の機能の回復を図る方法です。

整骨院についての基本知識のまとめ

いかがでしたでしょうか。整骨院では、国家資格者の柔道整復師が施術を行います。「急性」「外傷性」の怪我であれば、保険を使うことができます。ただし、保険が適用されない場合もあります。

また、整骨院で施術を受ける前に、レントゲン検査を受けたい場合には、医師のいる病院へ行く必要があります。整形外科と提携している整骨院もあるので、相談してみるとよいでしょう。