整体とマッサージの違いとは?選ぶ基準をご紹介!

街でみかける「整体」や「マッサージ」といった文字…。「整体とマッサージって使い分ける必要あるの?」と疑問に思っていませんか。

整体とマッサージには、明確な違いがあります。そこで今回は、整体とマッサージの違いや選ぶ基準について解説していきます。

受ける治療・施術には2つの違いがある!

そもそも病院や整骨院、整体院などで受ける治療・施術は、以下のように2つに分類されます。

  • 医療行為
  • 医療類似行為

医療行為

医療行為とは、医学に基づき、怪我の治療や診断、予防などを行う行為のことです。医療行為を行うためには、医師免許や歯科医師免許、看護師免許などの資格が必要になります。したがって、医療行為に該当するのは、病院(整形外科)や歯科などです。

医療類似行為

医療類似行為とは、医師の専門的知識や技能を必要としないが、病気の施術や保健を目的としている行為のことです。また、医療類似行為は、「法的な資格制度がある・ない」の2つに細かく分類することができます。

法的な資格制度がある

法的な資格制度がある医療類似行為には、あん摩マッサージ指圧やはり、灸、柔道整復の4つが当てはまります。それぞれの国家試験を受けて合格し、国家資格を取得した者だけが行える行為です。

法的な資格制度がない

法的な資格制度がない医療類似行為には、整体やカイロプラクティック、オステオパシー(※)などが当てはまります。これらの医療類似行為を行う場合は、国家資格を取得する必要がなく、民間の資格を取得するだけで行える行為です。

※ オステオパシーとは、整骨療法の1つで、人間の持つ自然治癒力を活かした施術のことです。

整体とマッサージ、具体的に何が違う?

整体とマッサージの具体的な違いには、施術者が取得している資格と得られる効果の2つがあります。

①施術者が取得している資格

整体の場合、一定の技量を認められた人に協会やスクールから与えられる「民間の資格」を取得している人が施術を行います。例としては、整体師やカイロプラクターなどです。

マッサージの場合、「国家資格」と「民間の資格」のどちらを取得しているかの2つに分けることができます。

国家資格の場合、あん摩マッサージ指圧師という資格を取得しており、マッサージだけでなく、あん摩や指圧の施術も行うことができます。一方、民間の資格の場合、リラクゼーションが目的の施術となっており、整体ボディケアセラピストやリンパドレナージュセラピストなどの資格を取得していることが多いです。

②得られる効果

そもそも整体とは、脊椎や骨盤、四肢などの骨格・関節の歪み・骨格筋の調整を手技で行う施術です。

整体を行うと、以下のような効果を得ることができます。

  • 身体の痛みの緩和
  • 姿勢がよくなる
  • 関節の可動域が広がる
  • 美容効果(例:O脚やX脚が解消される、ウエストが引き締まる)
  • 自律神経が調整され、リラックス効果を得られる

一方、マッサージで得られる効果は、あん摩マッサージ指圧師が行うマッサージ、リラクゼーションが目的のマッサージの2つに分けることができます。

あん摩マッサージ指圧師が行うマッサージ

あん摩マッサージ指圧師が行うマッサージは、オイルやパウダーを使い、手足から身体の中心に向かって、皮膚を直接刺激していく施術です。そして、医師から定期的な同意と筋麻痺や関節拘縮(かんせつこうしゅく)の病気であれば、健康保険が適用されます。

あん摩マッサージ指圧師が行うマッサージでは、以下のような効果が得られます。

  • 血液やリンパの流れを促す
  • 代謝の向上
  • 筋肉や神経の機能の回復

あん摩や指圧はどんな施術?
そもそもあん摩とは、「おさえる」「なでる」を意味しています。東洋医学の考え方に基づいて、気血や経絡の変調を調整する手技療法のことで、身体の中心から手足に向かって、衣服の上から施術を行います。

一方、指圧は身体の変調を矯正して、健康の維持増進を図ったり、特定の病気の完治を目指す施術です。衣服の上から指や手のひらなどを用いて、身体の表面の一定部位を押し、施術を行います。

リラクゼーションが目的のマッサージ

リラクゼーションが目的のマッサージは、心と身体の癒しや緊張の緩和をしていくものです。例としては、筋肉のもみほぐしやアロママッサージ、オイルマッサージなどです。

リラクゼーションが目的のマッサージでは、以下のような効果が得られます。

  • 代謝向上
  • むくみの緩和
  • アロマの香りによるリラックス効果と心のリフレッシュ
  • 美肌効果
  • ホルモンバランスを整える

ただし、リラクゼーションが目的のマッサージは、あん摩マッサージ指圧師が行うマッサージと異なり、健康保険が適用されないので注意が必要です。

上記のことから、整体とマッサージの違いについては、理解していただけたかと思います。それでは、どんな基準で整体とマッサージを選べばいいのでしょうか。

整体とマッサージを選ぶ基準

整体とマッサージの選び方の基準としては、先程ご紹介した違いを参考に選んでいただくことをおすすめします。

選ぶ基準を簡潔にまとめると、以下の通りです。

整体
骨格の歪みが気になる。
姿勢をよくしたい。
関節の可動域が狭くなった気がする。   など
マッサージ
【あん摩マッサージ指圧師が行うマッサージ】
筋麻痺や関節拘縮の病気を患っている。
筋肉痛を和らげたい。
身体の疲れを取りたい。
【リラクゼーションが目的のマッサージ】
身体と心の疲れを癒したい。
むくみや冷え性が気になる。
ホルモンバランスを整えて、生理痛を緩和させたい。

整体とマッサージの違いについてのまとめ

いかがでしたか。整体とマッサージは似ているように思えますが、それぞれ違うものになります。

整体の場合、骨格の歪みを矯正し、症状を緩和させることを目的としており、民間の資格を取得している方が施術を行います。

一方、マッサージは、あん摩マッサージ指圧師が行うマッサージとリラクゼーションが目的のマッサージの2種類あり、それぞれにおいて違いがあります。あん摩マッサージ指圧師が行うマッサージは、血液やリンパの流れを促し、痛みを和らげたり、リラックス効果を得ることを目的としており、国家資格を取得した方が施術を行います。リラクゼーションが目的のマッサージは、その名の通り、リラクゼーションが目的のマッサージで、国家資格を取得する必要はなく、民間の資格を取得した方が施術を行います。

したがって、整体やマッサージを受けたい場合は、施術の目的を考えて選択することが大切なのです。