赤ちゃんを出産すると、骨盤が開いて歪んでしまいます。産後に骨盤が歪んでしまうと、産後太りや冷え性など、様々な症状に悩まされることがあります。しかし、骨盤は矯正できるため、症状を緩和することも可能です。
そこで今回は、産後の骨盤矯正方法や骨盤が歪む原因などについて解説していきます。
出産は、骨盤に大きな負担をかけてしまうため、骨盤が歪んでしまいます。骨盤が歪んでしまう理由としては、以下の3つが挙げられます。
出産をするために「リラクシン」というホルモンが、妊娠7週目頃から産後1ヶ月頃まで分泌され続けます。リラクシンが分泌されると、関節が柔らかくなり、出産するのに適した身体をつくることができます。その結果、産後に骨盤が歪んだ状態になってしまうのです。
赤ちゃんは、出産時に産道を通ることになります。しかし、骨盤が閉まっていると、赤ちゃんは外に出ることができません。そのため、骨盤は開いていなければならないのです。
また、出産時に開いた骨盤は産後自然に閉じますが、歪みが全くない状態で閉じることはほとんどないといわれています。
産後は恥骨が歪んだり、骨盤底筋群もゆるんでしまいます。恥骨とは、骨盤の底にある骨のことです。一方、骨盤底筋は骨盤の底にある筋肉のことで、内臓や子宮、膀胱などを支えている筋肉になります。恥骨の歪みや骨盤底筋群のゆるみは、出産時のいきみが原因で引き起こります。
産後に骨盤が歪んでしまうと、以下のような悪影響があらわれてしまいます。
これらの悪影響は、骨盤の歪みからくる「筋肉のバランスの崩れ」「神経の圧迫」「内臓の位置が下がる」ことが原因とされています。
骨盤の歪みによって筋肉のバランスが崩れると、血液やリンパの流れが悪くなります。その結果、冷え性や代謝が悪くなるなどの影響があらわれます。また、神経を圧迫してしまうこともあり、腰や膝、股関節に痛みを感じてしまいます。
さらに、骨盤が歪んでしまうと、内臓が正しい位置にとどまることができなくなってしまいます。その結果、皮下脂肪が増えてしまうため、産後に太ってしまうのです。
産後の骨盤の歪みは、様々な悪影響を及ぼすため、産後に骨盤矯正をすることが大切です。産後もリラクシンというホルモンが分泌されているため、関節が柔らかくなっており、骨盤矯正に適しているといえます。
しかし、産後直後は悪露(おろ)が出たり、体力が回復してない可能性があり、体調が悪化する恐れがあります。そのため、骨盤矯正のタイミングとしては、産後1ヶ月~6ヶ月までに行うことをおすすめします。
産後の骨盤を矯正する手段としては、以下のように3つあります。
産後の骨盤矯正は、整骨院や整体院でも行っています。整骨院や整体院で行う骨盤矯正は、マッサージや整体、カイロプラクティックなどの手技療法で行います。しかし、1回の施術で骨盤矯正ができるものではないため、通院を継続させて徐々に戻していきます。
骨盤矯正グッズを使う方法は、簡単に骨盤を矯正することができます。骨盤矯正グッズとは、骨盤矯正用のベルトやガードルなどのことです。
骨盤矯正用のベルトやガードルをつけることで、骨盤を締めながら固定してくれます。それによって、正しい位置にキープすることができます。しかし、骨盤矯正用のベルトやガードルをずっと使い続けると、以下のようなことになってしまいます。
したがって、骨盤矯正用のベルトやガードルは、サポートするためのものとして使うようにしましょう。
骨盤矯正は、自宅でストレッチを行い、正しい位置に戻すことも可能です。今回は、産後の骨盤矯正によいとされる3つのストレッチ方法をご紹介します。
骨盤回しは立った状態で行い、足を肩幅に開き、腰に手を当てます。その状態のまま時計回り、反時計回りに骨盤をぐるぐる回します。そのとき、呼吸を止めずに行うと、骨盤が回しやすくなります。
まず、身体の縦のラインを真っ直ぐにし、肩と腰のラインが平行な位置になるようにして、仰向けになります。その後、足を肩幅ぐらいに開き、膝を立てます。そのとき、手のひらを下にして床につけます。
そして、下腹部とお尻に力を入れて骨盤を締め、息を吐きながら腰を上にあげます。そのとき、足の裏で床を押し、腰が反らないように注意しましょう。
お尻歩きは、座った状態で足をまっすぐ伸ばし、お尻の力だけで前後に歩きます。このとき、膝を曲げず、背中を丸めないように注意してください。
もし上手くお尻歩きができない場合は、腕を振りながら行うとやりやすくなります。
いかがでしたか。産後の骨盤は、ホルモンの影響や筋肉の緩みなどで歪んでしまいます。骨盤が歪むことで、産後太りや冷え性、腰痛など様々な症状があらわれます。そのため、産後に骨盤を矯正するようにしましょう。
骨盤の矯正には、「骨盤矯正の施術を受ける」「骨盤矯正グッズを使う」「自宅で骨盤矯正のストレッチを行う」といった3つの手段があります。したがって、自分にあった方法で骨盤矯正を行ってくださいね。