捻挫ってどんな怪我?受傷後の応急処置が大切!

日常的によくみられる怪我の1つである「捻挫」。しかし、「どのような怪我なのか」「どんな症状があらわれるのか」などわからないことがたくさんあると思います。そこで今回は、捻挫の症状や応急処置、治療方法について解説していきます。

捻挫とは

捻挫とは、関節に力が加わって、靭帯や腱などの軟部組織や軟骨などが損傷する怪我のことです。捻挫になってしまうと、関節の腫れや痛み、内出血といった症状があらわれます。

捻挫が起こる部位は、頚椎・腰椎・手関節・足関節といった全身の関節です。今回は、頚椎・腰椎・足関節の3つの捻挫について解説していきます。

頚椎捻挫

頚椎捻挫とは、首の軟部組織の損傷により起こる捻挫のことで、またの名を「むちうち」といいます。むちうちの名前の由来は、筋肉や靭帯が損傷する際に、首が鞭のようにしなるためです。

頚椎捻挫は、スポーツだけでなく、交通事故の被害者に多い怪我の1つです。主な症状としては、首の痛みや肩こり、頭痛、めまい、吐き気、耳鳴りなどがあらわれます。

腰椎捻挫

腰椎捻挫とは、背骨周辺にある筋肉や靭帯などの軟部組織が損傷することで起こる捻挫のことです。腰の痛みや腰の両わきの痛みが主な症状ですが、安静にしていると痛みは軽減し、動いたときに痛みが強くなるという特徴があります。

また、太ももの裏側にしびれがある場合、腰椎捻挫ではなく椎間板ヘルニアの可能性があります。その場合は、一度MRIで検査を受けるようにしてください。

足関節捻挫

足関節捻挫は、足関節に起こる捻挫のことで、足関節の外側の靭帯を損傷している状態です。スポーツや歩行時の段差などで、足関節を内側にひねってしまうことで生じます。

足関節捻挫になると、外くるぶしの前や下に痛みがあらわれ、腫れてしまいます。

捻挫の程度は3段階

捻挫は、軽い症状から重い症状まで様々です。そのため、医学的に、第1度(軽症)・第2度(中等症)・第3度(重症)の3段階に分類することができます。

第1度(軽症)

靭帯がわずかに伸ばされた状態の場合、第1度(軽症)にあたります。限られた部位に、軽い腫れや痛みがみられます。

第2度(中等症)

靭帯が部分的に切れた状態の場合、第2度(中等症)にあたります。広い範囲で腫れや強い痛み、皮下出血がみられ、関節内に血液が溜まることもあります。

第3度(重症)

靭帯が完全に切れた状態の場合、第3度(重症)にあたります。強い腫れや痛みがあらわれ、関節がグラグラするといった特徴があります。

捻挫になったら応急処置を!

捻挫の怪我を負った場合、まずは応急処置を行いましょう。応急処置を行うことで、腫れや損傷部位の拡大、内出血などを抑えることができます。そして、応急処置を行った後は、必ず病院で診察を受けることが大切です。

応急処置は、以下の通りです。

  • ①安静(Rest)
  • ②冷却(Icing)
  • ③圧迫(Compression)
  • ④挙上(Elevation)

この応急処置は、英語の頭文字をとって「RICE処置」と呼ばれることもあります。

①安静(Rest)

安静(Rest)は、痛みのある部分を安静に保つ処置です。怪我をしている状態で無理に動かしたり、受傷部位に体重をかけてしまうと、症状が悪化してしまいます。そのため、痛みのある部分は動かさず、負荷のかからない体勢で休ませましょう。

②冷却(Icing)

冷却(Icing)は、痛みのある部分を氷で冷やす処置です。氷で冷やすことによって、痛みを軽くし、内出血や根炎症を抑えることができます。

冷却の方法として一般的なのは、ビニール袋の中に氷を入れて行うやり方です。氷をあててから約15~20分で痛みの感覚がなくなります。痛みを感じなくなったら氷を外し、また痛みがあらわれたら氷をあてるようにします。この処置を24~48時間続けます。

③圧迫(Compression)

圧迫(Compression)は、出血や腫れを防ぐために、痛みのある部分を圧迫する処置です。受傷部位の圧迫は、冷却の前に行うこともありますが、同時に行っても構いません。

圧迫の方法としては、弾性包帯やテーピングなどで痛みのある部分を圧迫しながら巻きます。しかし、圧迫の力が強すぎると、血液の流れが悪くなったり、神経を圧迫してしまう恐れがあります。したがって、弾性包帯やテーピングなどを巻く場合は、強さを加減するようにしましょう。

また、圧迫している箇所が青くなったり、しびれてきた場合は、圧迫をゆるめて青みやシビレがとれてから再び圧迫するようにしてください。

④挙上(Elevation)

挙上(Elevation)は、痛みのある部分を自分の心臓よりも高い位置へ持ち上げる処置です。挙上を行うことによって、内出血を防ぎ、痛みも和らげることができます。

挙上を行う場合は、椅子やクッション、枕、台などを使い、その上に怪我した部分をのせるとよいです。

捻挫の治療方法

捻挫の治療は、基本的にRICE処置を行うことがほとんどですが、捻挫の程度によっては手術が必要な場合もあります。

捻挫で行う手術に、関節鏡を使った鏡視下手術という方法があります。鏡視下手術は、大きく切開することなく行うことができる手術です。そのため、身体にかかる負担が軽減され、入院期間も短くできます。

捻挫についてのまとめ

いかがでしたか。捻挫は、関節に力が加わり、靭帯や腱などの軟部組織や軟骨などが損傷する怪我のことで、全身の関節に起こります。捻挫になってしまった場合、まずは安静・冷却・圧迫・挙上のRICE処置を行うことが大切です。

また、捻挫の程度によっては手術が必要な場合もあるため、RICE処置を行った後は病院を受診するようにしてくださいね。