肩こりの症状を確認する方法とは?発症の原因は2種類に分類できる!

「この痛みや違和感は、肩こりが原因なのか?」と疑問をお持ちの方。一度、ご自身で肩こりのチェック方法を試してみてはいかがでしょうか。

今回の記事では、肩こりの原因や症状を確認する手段、治療方法などについて解説していきます。

肩こりの症状があるかを自分でチェック!

「自分は肩こりなのか、イマイチわからない…。」という方もいるのではないでしょうか。肩こりは、以下の方法で症状があるかを簡単にチェックすることができます。

  • 背中で両手を繋ぐことができるか
  • 首を左右に倒せるか
  • 鼻と肩のラインが揃うまで首を回せるか

背中で両手を繋ぐことができるか

片方の手は上から、反対の手は下から手を背中に回します。このとき両手が触れられない場合、肩や腕、肩甲骨の周りの筋肉が硬い状態です。筋肉が硬いと、肩こりが起きやすいので要注意です。

首を左右に倒せるか

鏡の前に立ち、耳を肩につけるように首をゆっくり倒します。このとき、耳と肩の距離がこぶし1個分以上空いている場合は、首筋がこっている可能性があり、肩こりにもつながってしまいます。

鼻と肩のラインが揃うまで首を回せるか

首を正面からできるだけ後ろに回します。そのとき、首が回らず、鼻が肩のラインと一直線にならない場合は、首の横から後ろの筋肉が強張っており、肩こりを引き起こしてしまう恐れがあります。

肩こりの原因は2つに分類できる!

「肩が重く感じる」「肩の筋肉が硬い気がする」といった肩こりの症状は、「病気が原因もの」と「生活習慣が原因のもの」の2つに分類することができます。

病気が原因もの

病気が原因で、肩こりの症状があらわれることもあります。肩こりの症状を引き起こす病気は、以下の通りです。

  • 頚肩腕症候群
  • 肩関節周囲炎
  • 頚椎症
  • 頚椎椎間板ヘルニア
  • 更年期障害
  • 緊張性頭痛
  • 血圧の異常
  • 狭心症・心筋梗塞

病気が原因の肩こりの場合、すぐに病院で検査を受けることをおすすめします。上記のような病気の場合、肩こりだけではなく、その他の症状もあらわれます。以下にあるそれぞれの病気についての解説を参考にしてください。

頚肩腕症候群

頚肩腕症候群は、肩から手の指までの特定の部位を動かし続けることで発症します。肩こりの他にあらわれる症状は、動かす部位によって異なりますが、肘や腕、手の関節や指の痛み、だるさなどです。

肩関節周囲炎

肩関節周囲炎は、一般的に「四十肩」や「五十肩」といわれ、肩の関節の骨や靭帯、腱などが老化し、炎症を起こすことで発症します。肩こりの他にあらわれる症状は、肩関節を動かすと痛む、肩関節の可動域制限などです。

頚椎症

頚椎症は、加齢によって頚椎や椎間板が変形し、脊髄や神経根が圧迫されることで発症します。肩こりの他にあらわれる症状は、首や腕の痛み、手足のしびれ、手が動かしにくい、つまづきやすくなるなどです。

頚椎椎間板ヘルニア

頚椎椎間板ヘルニアは、頚椎の骨と骨の間にある椎間板が、正しい位置から外れて飛び出すことで発症します。肩こりの他にあらわれる症状は、首や腕の痛み、手足のしびれ、手が動かしにくい、力が入りにくいなどです。

更年期障害

更年期障害とは、閉経前後の5年間(更年期)に発症するもので、身体と心に様々な症状が起こり、そのうち日常生活に支障をきたすものを指します。肩こりの他にあらわれる症状は、ほてりやのぼせ、情緒不安定や不眠、頭重感、腰痛、動悸などです。

緊張性頭痛

緊張性頭痛は、同じ姿勢が続いたり、不自然な姿勢などで首や肩の筋肉の緊張することが原因で発症します。頭の両側が締めつけられるような痛みの頭痛です。肩こりや頭痛の他に、目の疲れやめまいなどの症状があらわれます。

血圧の異常

高血圧・低血圧など、血圧の異常によって、肩こりがあらわれることがあります。肩こりの他にあらわれる症状は、頭痛や倦怠感、めまい、耳鳴り、動悸などです。しかし、高血圧・低血圧などの場合、自覚症状がないこともあります。

狭心症・心筋梗塞

狭心症は、冠動脈と呼ばれる心臓をとりまく動脈が狭くなり、心臓の筋肉に十分な血液が流れなくなってしまうことが原因で発症します。そして、心筋梗塞は、狭心症が進行して冠動脈がさらに狭くなり、血管が完全に詰まった状態のことをいいます。

肩こりの他にあらわれる症状は、激しい胸の痛みや苦しさ、関連痛といわれる歯が痛むような症状があらわれることもあります。

狭心症・心筋梗塞は、ともに放置しておくと生死にかかわる可能性があります。したがって、強い胸の痛みや圧迫感などの症状があるときは、すぐに病院を受診するようにしてください。

生活習慣が原因のもの

肩こりは、勉強や仕事、家事などの生活習慣が原因で発症することがあります。肩こりの原因となる生活習慣には、以下のようなものがあります。

  • 姿勢の悪さ
  • 同じ姿勢が長く続く
  • 眼精疲労
  • 運動不足
  • ストレス

姿勢の悪さ

普段から猫背で生活してしまうと、肩こりになってしまいます。その理由は、姿勢の悪さが頭を支える肩や背中の筋肉の緊張を引き起こし、血行が悪くなるからです。

同じ姿勢が長く続く

パソコン作業や運転など、同じ姿勢が長時間続いてしまうと、首や肩などの筋肉が過剰に緊張してしまい、肩こりを引き起こしてしまいます。

眼精疲労

目の使い過ぎが原因で引き起こる眼精疲労は、肩こりの症状があらわれることもあります。その理由は、目の酷使によって目の周りの筋肉が緊張し続け、交感神経が働きっぱなしになり、自律神経のバランスが崩れてしまうからです。自律神経のバランスが崩れてしまうと肩こりだけでなく、頭痛や吐き気などの全身に症状があらわれます。

運動不足

日頃、運動をしない状態が続くと、筋力が低下してしまいます。筋力の低下によって血流の悪化や姿勢が保持できなくなり、肩の筋肉の緊張や疲労を引き起こします。その結果、肩こりになりやすい状態になってしまいます。

ストレス

仕事や勉強、人間関係などの日々のストレスが肩こりを引き起こすこともあります。ストレスがかかってしまうことで、自律神経である交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまいます。自律神経のバランスの崩れは、肩こりだけでなく、イライラや情緒不安定などの精神症状があらわれることもあります。

肩こりを治すには?

様々な原因で発症する肩こりですが、症状を緩和させるには以下2つの選択肢があります。

  • 治療・施術を受ける
  • 自宅で簡単にできる対処法

治療・施術を受ける

肩こりは、整形外科や整骨院、鍼灸院などで治療・施術を受けることができます。肩こりの治療・施術方法としては、以下の通りです。

  • マッサージ:筋肉をほぐして筋緊張を和らげたり、血行を促したりする
  • 温熱療法:首や肩をホットパックや超音波などで温め、筋緊張を和らげる
  • 神経ブロック注射:麻酔薬やステロイドホルモンを打ち、痛みやこりをとる
  • 痛み止めや湿布:痛みや筋肉の強張りを抑制させる
  • 運動療法:身体を動かすことで筋緊張を和らげ、血行を促進して筋肉を強化させる
  • 鍼灸:鍼灸でツボを刺激し、血管を広げて血行を促す

自宅で簡単にできる対処法

肩こりは、自宅でストレッチを行うことで緩和させることができます。今回は、簡単にできる肩こり緩和のストレッチ方法を3つご紹介します。

  • ①肩甲骨引き寄せのストレッチ
  • ②首筋から背中にある筋肉(僧帽筋)のストレッチ
  • ③首筋の横側にある筋肉(胸鎖乳突筋)のストレッチ

①肩甲骨引き寄せのストレッチ

肩甲骨引き寄せのストレッチ方法は、以下の手順で行います。

  • 足を肩幅に開き、背筋を伸ばしてお腹をへこませる
  • 両手を後ろに回して指を組み、肩甲骨を真ん中に引き寄せるイメージで、胸を大きく伸ばす
  • 両手の指を組んだまま、できるだけ高く上げて維持する

肩甲骨を引き寄せる動作を30秒2セット、その後に両手を上げる動作を10秒3セットで行います。

②首筋から背中にある筋肉(僧帽筋)のストレッチ

片手を背中に回して、もう片方の手を頭に置き、ゆっくりと45°に傾け、20~30秒キープします。その後、斜め前方に同じようにして傾け、20~30秒キープします。

この動作を行う際は、呼吸を止めないように意識し、左右交互に行いましょう。

③首筋の横側にある筋肉(胸鎖乳突筋)のストレッチ

両手を鎖骨に置き、鎖骨を下げるようにしながら上を向きます。このとき、頭を斜め45°に傾けて20~30秒キープします。さらに、天井を見るように頭を回転させ、20~30秒キープします。

この動作も、先程同様、呼吸を止めないように意識し、左右交互に行います。

肩こりの症状についてのまとめ

いかがでしたか。肩こりの症状は、「病気」と「生活習慣」が原因で引き起こされます。病気が原因の疑いがある場合は、すぐに病院へ行くようにしてください。肩こりの症状は「治療・施術を受ける」または「自宅で簡単なストレッチを行う」ことで緩和させることができます。この記事を参考に、治療・施術を受けたり、ストレッチを行ってみてくださいね。