五十肩になったら必ず治療を受けるべき？予防法もご紹介！

40歳～50歳に多い「五十肩」。よく耳にする病名であっても、原因や治療方法、予防対策など知らないことがたくさんあると思います。

そこで今回は、五十肩の原因や治療方法、予防対策などについて解説していきます。

五十肩とは？

そもそも五十肩というのは俗称で、医学的には「肩関節周囲炎」といいます。中高年の多くにみられる病気で、肩関節周囲炎が発症する年齢の違いによって、「五十肩」「四十肩」と呼ばれる病気です。したがって、「五十肩」「四十肩」のどちらも同じ病気ということになります。

五十肩が発症する原因は、はっきりと解明されていません。しかし、肩関節にある骨や軟骨などの組織が加齢によって炎症を起こし、肩関節の関節包が狭小化が原因だと考えられています。

五十肩になってしまうと、肩周辺に強い痛みを感じたり、腕が上がらない肩関節の可動域制限といった症状があらわれます。

五十肩の診断方法

五十肩の診断方法には、以下のような画像検査が用いられます。

• レントゲン
• MRI
• 超音波検査

しかし、先程も述べたように、発症する原因がはっきりと解明されていないため、明確な原因が発見できない場合に「五十肩」と診断されます。

また、肩に痛みが生じた場合に、加齢による五十肩だなと自己判断するのはよくありません。五十肩に似た症状があらわれる、腱板断裂の可能性もあります。

【注意！】五十肩に似た症状「腱板断裂」

腱板断裂とは、上腕の骨と肩甲骨をつなぐ腱が切れてしまう病気のことです。中高年に発症することが多く、肩に強い痛みを感じるため、五十肩と勘違いしてしまうことがあります。

五十肩と異なる点としては、以下の通り。

• 肩に力が入りにくい
• 痛みがいつまでも続く
• 腕を挙げるときに肩の前上面で軋む音がする

五十肩の治療について

五十肩の治療を受けずに、症状を放置してはいけません。五十肩の治療を受けずにいると、後遺症が残る恐れがあります。後遺症になってしまうと、治療をしても症状の緩和が見られないため、たかが五十肩と思わずに治療を受けることが大切です。

五十肩の治療は、手術が行われる場合もありますが、基本的に保存療法で行われます。また、発症直後の痛みが強い時期の「急性期」、発症してから数日後の痛みが落ち着ついた時期の「慢性期」によって治療方法が異なります。

急性期における五十肩の治療

急性期は五十肩による痛みが強いため、なるべく肩を動かさず、安静にすることが大切です。また、痛みが強い場合は、一時的に三角巾を用いて安静を保つようにしましょう。さらに、痛み止めや湿布などの痛みを軽減させる薬を使うのもよいです。

慢性期における五十肩の治療

慢性期になると、痛みの症状は落ち着いてきますが、肩関節の可動域が狭くなってしまいます。この症状は、急性期による炎症の影響で、筋肉が固まってしまうことが原因のものです。したがって、慢性期は血行を促したり、身体の状態を診ながら肩関節を動かす治療を行います。慢性期の治療例としては、肩をあたためたり、鍼治療、マッサージなどです。

五十肩は予防できる！

「五十肩は、加齢によるものだから仕方ない…。」と思っていませんか？五十肩は、日頃のストレッチで予防することができます。

五十肩を予防するためのストレッチについては、以下の通り。

• ①両方の肩を前後に10回まわす。
• ②両腕を前から真っ直ぐと上に挙げ、耳の横につけてゆっくり下す。
• ③肩を力いっぱい前にすくめたり、後ろに広げたりを繰り返す。
• ④両腕を横に真っ直ぐ伸ばして、そのまま肩より上に挙げて30秒キープする。
  楽にできる場合は、水を入れた小さなペットボトルを持って行うとよい。

これらのストレッチは、無理をせずにできる範囲で行うことが大切です。また、ストレッチ中に痛みを感じた場合は、すぐにストレッチをやめて病院を受診するようにしてください。

五十肩についてのまとめ

いかがでしたか。五十肩は、医学的には「肩関節周囲炎」といい、中高年の多くにみられます。主な症状は、肩周辺に強い痛みを感じたり、肩関節の可動域制限です。

五十肩の症状を放置してしまうと、後遺症が残る可能性もあるため、治療を受けることが大切です。五十肩の治療は、急性期と慢性期で治療内容が異なるため、症状にあった治療を受けるようにしましょう。