ぎっくり腰は、思いもよらない瞬間に突如やってきます。もしもぎっくり腰になってしまったら、どう対処すればよいのでしょうか。また、ぎっくり腰を繰り返さないための予防方法も気になりますよね。
今回は、ぎっくり腰の対処法や予防方法、病院へ行くべきかなどの疑問について解説していきます!
ぎっくり腰の正式名称は、「急性腰痛」といいます。急激に激しい痛みを感じるため、西洋では「魔女の一撃」とも呼ばれています。
ぎっくり腰は、些細な日常的動作で起こる可能性があります。
ぎっくり腰の原因は、5つの骨で出来ている腰骨の、1つ1つを支える椎間板や関節、筋肉や靭帯などの損傷ではないかと考えられています。しかし、明確な原因は判明していません。
ぎっくり腰になると、急激な腰痛が発生します。動作を加えることで痛みが強まりますが、比較的短期間で治まることがほとんどです。レントゲンやMRIによる他覚的所見は見られず、神経痛や麻痺などの症状は併発しません。
もしも腰痛のほかにしびれや麻痺があらわれている場合は、椎間板ヘルニアという病気を患っている可能性があります。したがって、ぎっくり腰で腰痛以外の自覚症状がある場合は、整形外科を受診するようにしましょう。
ぎっくり腰になってしまったら、「安静にしなければいけない」というイメージをお持ちの方がほとんどかと思います。しかし、できるだけいつも通りの日常生活を過ごした方が、回復が早くなるといわれています。動ける場合は軽いストレッチを行ったり、痛みが和らぐのであれば湿布や痛み止めを使用してもよいでしょう。
ただし、あまりにも激痛で動けないときは、無理に動こうとしてはいけません。自分が楽だと思う姿勢を取って、安静にしましょう。また、深呼吸を繰り返すことで、痛みが和らぐこともあります。
「ぎっくり腰の時に入浴してもよいのか」というのは、症状の程度によって異なります。
温かいお風呂にゆっくりと入浴することでリラックス効果が高まり、痛みが和らぐこともあります。しかし、必ず痛みが楽になるかといわれたら、そうではありません。
腰に触れた時に熱を持っていたり腫れがある場合は、炎症が起きているため、入浴は避けたほうがよいです。入浴で温められることによって、痛みが悪化する可能性があります。炎症が起きている場合は、氷で腰部のアイシングを行いましょう。ただし、氷を皮膚に直接あててはいけません。必ずタオルなどで包み、強い刺激を与えないようにしましょう。
仰向けで寝ると、腰部に力が集中します。したがって、ぎっくり腰の時に仰向けで寝ることがつらい方も多いでしょう。
仰向けの姿勢が困難なときは脚を伸ばさず、膝を90°曲げることで楽になるかもしれません。
前述したように、ぎっくり腰は安静にするよりも、いつも通りの生活を過ごすことが大切です。したがって、コルセットで痛みが和らぎ過ごしやすくなるのであれば、使用してもかまいません。
ただし、コルセットをつけなくとも動ける場合や、体が楽になってきたら、コルセットを外して過ごすようにしましょう。
ぎっくり腰は、ほとんどの場合数日~数週間で痛みが治まります。したがって、病院へ行くべきなのか迷ってしまいますよね。
以下に、ぎっくり腰で病院を受診した方がよいケースをまとめました。
以上のような場合はぎっくり腰ではなく、椎間板ヘルニア(※)や脊椎すべり症(※1)の病気である可能性があります。一度病院の整形外科へ行き検査を受けてみましょう。
(※)背骨と背骨のクッションになっている椎間板が飛び出し、神経が圧迫されることで痛みやしびれ、麻痺が引き起こる。
(※1)脊椎(背骨)を構成している椎骨がずれることで、腰痛があらわれる。
ぎっくり腰は、日頃の心がけで予防することができます。悪い姿勢を取らないように気を付けたり、腹筋や背筋を鍛えて、腰に負担がかからないようにしましょう。
具体的な予防方法は、以下の通り。
また、体が温まっているお風呂上りに、可能な範囲で開脚や前屈ストレッチを行うのもおすすめです。ストレッチを行うことで、腰回りの筋肉に柔軟性を持たせることができます。
ぎっくり腰の腰痛は大変つらいかと思いますが、できるだけいつも通りの生活を過ごすことで、回復が早くなる可能性があります。しかし、あまりにも激しい痛みの場合は無理に動かず、落ち着くまで安静にすることが大切です。ぎっくり腰にならないためには、日頃から姿勢に気を付け、軽いストレッチを行うようにしましょう。