ぎっくり腰の症状の特徴とは?3つの治療方法も併せてご紹介

ぎっくり腰は、年齢に左右されず、誰もが発症する恐れがあります。特に、何か動作をした直後の腰の痛みは、ぎっくり腰である可能性が高いです。

そこで今回は、ぎっくり腰の症状や原因、対処法などについて解説していきます。

ぎっくり腰はどんな症状があらわれる?

ぎっくり腰は、急激に発症した腰痛のことをいい、正式には急性腰痛症と呼ばれています。ぎっくり腰になってしまうと、腰に強い痛みを感じ、動けなくなるといった症状が特徴的です。しかし、神経痛や麻痺などの症状は、あらわれないといわれています。

また、ぎっくり腰で感じる痛みは、以下のような場合で異なります。

  • 初めてぎっくり腰になった場合
  • 何度もぎっくり腰になっている場合

初めてぎっくり腰になった場合

初めてぎっくり腰になった場合、一度に硬くなる筋肉が多く、腰の痛みを強く感じます。そのため、身動きがとれなくなってしまう方が多いようです。

何度もぎっくり腰になっている場合

何度もぎっくり腰を繰り返していると、最初から硬くなっている筋肉が多いため、一度に硬くなる筋肉が減少します。そのため、激しい腰の痛みではなく、重く鈍い腰の痛みを感じます。

また、更にぎっくり腰を繰り返すと、ぎっくり腰による鈍い痛みが消えず、腰周辺に慢性的な重い痛みが続くようになります。

ぎっくり腰の原因

ぎっくり腰は、腰に大きな負荷がかかり、腰を支える筋肉や靭帯などの軟部組織が損傷することが原因で発症するといわれています。

例としては、以下の通り。

  • 重い荷物を持ち上げようとしたとき
  • 腰を捻る動作をしたとき      など

ぎっくり腰になった場合の応急処置

ぎっくり腰になってしまった場合、まずは応急処置を行うことが大切です。応急処置を行うことで痛みを抑えたり、損傷を最小限に抑えることができます。

ぎっくり腰の応急処置は、RICE処置を行います。RICE処置とは、Rest(安静)、Icing(冷却)、Compresshion(圧迫)、Elevation(挙上)の頭文字をとったものです。

Rest(安静)

腰の痛みが強い場合は、無理に体を動かさず、安静にするようにしましょう。痛みがある状態で体を動かしてしまうと、筋肉や靭帯などの軟部組織の損傷が広がってしまう恐れがあります。

ただし、4日以上の長すぎる安静は、反って症状の回復を遅くしてしまうこともあるので、ある程度痛みが引いたら安静をやめるようにしましょう。

Icing(冷却)

ぎっくり腰になってから48時間は、炎症が起こっている状態です。しかし、炎症は冷やすことで抑えられるため、ぎっくり腰になってから48時間は、痛みのある部分を冷却するようにしましょう。

Compresshion(圧迫)

ぎっくり腰になった場合は、コルセットを着用して適度に圧迫します。コルセットによる適度な圧迫は、炎症や腫れを抑える効果が期待できます。また、コルセットを着用すると、腰の動きをサポートしてくれます。

ただし、コルセットの着用は、痛みが緩和されたら外すようにしてください。長期間のコルセットの着用は、筋力低下につながるので注意が必要です。

Elevation(挙上)

挙上とは、痛みのある部分を高く挙げることです。ぎっくり腰になった場合、足の下に座布団やクッション、枕などを入れます。これにより、重力で炎症をコントロールすることができます。

ぎっくり腰の治療方法

ぎっくり腰の応急処置を行い、痛みが落ち着いてきたら、整形外科や整骨院などで以下のような治療・施術を受けるようにしましょう。

  • 物理療法
  • ブロック注射
  • 薬物療法     など

物理療法

物理療法とは、温熱や電気、牽引などの物理的な刺激を体に与える施術のことをいいます。

  • 温熱療法:痛みのある部分をあたためて血行を促したり、筋肉をほぐすことができる
  • 電気療法:体内に電気を流し、痛みを軽減させることができる
  • 牽引:腰を引っ張ることにより、筋肉をほぐすことができる

ただし、先程も述べたようにぎっくり腰になった直後は、痛みのある部分を温めてはいけません。したがって、温熱療法はぎっくり腰による痛みが落ち着いてから、行うようにしてください。

ブロック注射

ブロック注射には、痛みのある部分の神経付近に麻酔薬を注射して、痛みを緩和させたり、興奮した神経を落ち着かせるといった効果があります。また、麻酔薬が切れた後でも、血液の流れのよい状態が続くといわれています。そのため、ブロック注射による効果は、施術後も続きます。

薬物療法

薬物療法とは、その名のとおり薬を使った治療になります。ぎっくり腰の場合、主に痛み止めや湿布を処方されることが多いです。しかし、痛み止めや湿布は、痛みを緩和させる効果しかなく、効果は一時的なものになります。

ぎっくり腰になったときの注意点

ぎっくり腰になった場合は、症状の悪化を防ぐためにも、腰を痛めないような動きを心がけることが大切です。特に、寝返りを打つとき、起き上がるとき、立ち上がるときは腰を痛める可能性があります。

寝返りを打つ場合

ぎっくり腰になった後、寝返りを打つ場合は、膝を曲げて体を丸めた胎児のような体勢で行うと腰を痛めにくいです。

起き上がる場合

起き上がる際は、まず横向きになります。そして、腕の力でゆっくりと体を起こすと、腰を痛めにくいです。

立ち上がる場合

立ち上がる際は、両膝や手すり、モノなどに手をつきながら体を起こしましょう。このとき、両足を肩幅まで開いて行うと腰を痛めにくいです。

ぎっくり腰の症状についてのまとめ

いかがでしたか。ぎっくり腰の症状は、腰に強い痛みを感じ、身動きが取れない状態になります。ただし、神経痛や麻痺などの症状は併発しません。また、ぎっくり腰の発症が初めての場合と、何度も発症している場合では、以下のように痛みの感じ方が違います。

  • 初めて発症する場合:身動きが取れない程、腰に強い痛みを感じる
  • 何度も発症している場合:激しい腰の痛みではなく、重く鈍い腰の痛みを感じる

ぎっくり腰を繰り返してしまうと、慢性的な腰痛を抱えることになります。したがって、物理療法やブロック注射、薬物療法などの治療を受け、ぎっくり腰が再発しないよう努めましょう。