腰痛の原因って何?|隠された病気や日常生活での対策も解説!

腰痛は、性別を問わず多くの方が悩まされている症状だと思います。腰痛の原因を知りたいと感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、腰痛の原因を種類別に取り上げ、それぞれの対策についても説明しています。

腰痛の原因には様々な種類がある


腰痛には大きく分けて3種類の原因があります。

  • 腰の病気や怪我が原因で起こる腰痛
  • 内臓の病気が原因で起こる腰痛
  • 日常生活の過ごし方で起こる腰痛

一つずつ詳しく説明していきます。

腰の病気や怪我が原因で起こる腰痛


病気や怪我によって腰自体に原因がある場合、動いたり歩いたりしたときに痛みを感じることが多いようです。

どんな病気?

それでは、どのような病気や怪我が原因となって、腰痛があらわれるのでしょうか。
下の表で、腰痛の原因となる病気や怪我を簡単に解説しています。

病名・傷病名 原因
急性腰痛症 通称「ぎっくり腰」。重たいものを持ち上げた時など突然腰が痛くなる。
腰椎椎間板ヘルニア 腰椎の椎間板が正常の位置から外れて、脊髄や神経根が圧迫されて痛くなる。
腰部脊柱管狭窄症 背骨の中の脊髄が通る空間(脊柱管)が狭くなり、神経が圧迫されて痛くなる。
腰椎すべり症 腰椎が正常な位置からずれて、脊髄や神経を圧迫して痛くなる。
腰部変形性脊椎症 加齢によって、椎間板や腰椎自体が変形して痛くなる。

対策や治療方法

次は、病気や怪我による腰痛に対して、自分で行える対策と発症した際の治療方法を並べていきます。

急性腰痛症

<対策>
・腹筋・背筋を鍛えたり股関節を柔らかくするなどして、腰の負担を分散させる。
・動き方や姿勢に気を付ける。(例:顔を洗う時は腰だけを倒すのではなく、膝も少し曲げる)
<治療>
時間とともに痛みも和らいでいくことが多いので、必ず受診しなければいけないものではありません。無理をせず安静にしましょう。腰部を冷やすことも効果的ですが、冷やし過ぎると皮膚を刺激してしまうので、1回につき15分程度がよいでしょう。
2~3日安静にしても効果がなかったり、体を動かしていないのに痛みがあったりする場合は、整形外科の受診を検討してください。

腰椎椎間板ヘルニア

<対策>
・中腰での作業や重たいものを運ぶなど、腰に負担が大きいことを避ける。
・避けられない場合は、コルセットなどで腰を保護することも効果的。
<治療>
鎮痛剤の服用や ブロック注射を行います。それでも効果が出ない場合は、手術を勧められることがあります。

腰部脊柱管狭窄症

<対策>
・日常生活で姿勢を正しく保つ。
・有酸素運動を習慣にすることで、体幹が鍛えられて予防できる。
<治療>
症状が日常生活にどのくらい支障をきたしているかで、手術の必要性が判断されます。手術が必要ない場合は、薬物療法やブロック注射、リハビリ治療で症状が緩和することがあります。

腰椎すべり症

<対策>
・日頃から軽い運動やストレッチなどで腰部の筋肉のバランスを整えておく。
<治療>
コルセットなどを使って腰への負担を減らし、鎮痛剤やブロック注射で症状の緩和を試みます。それでも緩和しなかったり、症状が悪化していく場合は、手術を行うことが多いです。

腰部変形性脊椎症

<対策>
・加齢による発症が多いため、定期的な運動で筋力の低下を防ぐ。
<治療>
腰部脊柱管狭窄症など、他の病気も一緒に見つかる場合があります。併発している病気によって治療は異なりますが、コルセットの装着や、鎮痛剤・ブロック注射で症状の緩和を試みることが多いです。

内臓の病気が原因で起こる腰痛


内臓の病気が原因となり、症状の一つとして腰痛が起こる場合があります。

どんな病気?

病気の種類と原因、腰痛以外の症状も一緒に紹介します。

病名 原因 症状
尿路結石 腎臓から尿道までの尿路に石ができて起こる。 腰痛・排尿痛・血尿・吐き気
膀胱炎 膀胱内に細菌が入って炎症を起こす。 腰痛・排尿痛・血尿・頻尿
腎盂腎炎(じんうじんえん) 腎臓と尿管の接続部分である腎盂に炎症が起こる。 腰痛・発熱・寒気
胃潰瘍・十二指腸潰瘍 胃や十二指腸の壁が傷ついて起こる。 腰痛・みぞおちの痛み・吐き気
卵巣茎捻転(らんそうけいねんてん) 卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)に合併しやすい。卵巣が動いたときに周りの血管を巻き込むように捻じれてしまい、血流が悪くなり痛みが生じる。 腰痛・激しい下腹部の痛み
腹部大動脈瘤 大動脈にこぶ状のふくらみができる。 破裂するまでは無自覚なことが多い。破裂した時に激しい痛みが出て死に至る場合がある。
帯状疱疹 水ぼうそうのウイルスに感染して起こる。 皮膚がピリピリ刺すような痛みの後に、赤い斑点や水疱があらわれる

対策や治療方法

内臓の病気といっても、種類がたくさんありますね。
対策や治療方法も異なります。

尿路結石・膀胱炎・腎盂腎炎

この3つは泌尿器系の病気で、対策方法がほとんど同じです。
<対策>
・水分を適度に摂って、尿を出すことで細菌を体内から排出する。
<治療>
尿路結石…小さい結石は約1ヶ月で自然に排出される。大きいものは内視鏡治療などで除去する。
膀胱炎…抗菌薬を処方され3~4日の服用で改善することが多い。
腎盂腎炎…抗菌薬を処方され1~2週間の服用で改善することが多い。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

この2つは消化器系の病気で、以下のような対策と治療方法があります。
<対策>
・ストレスを溜めない。
・アルコール・香辛料の多い食べ物・カフェインの多い飲み物を過剰に摂取しない。
<治療>
・胃酸分泌を抑制する薬、粘膜を増加させる薬などの薬物療法。
・消化の良い柔らかい食事を少量ずつ摂取する食事療法。

卵巣茎捻転

<対策>
卵巣嚢腫を早期発見することが大切です。定期的に婦人科検診などを受けて、卵巣が腫れていないか確認しましょう。
<治療>
・基本的に開腹手術が必要。
・腹腔鏡手術(腹部内を対象とした内視鏡手術)で済ませられる場合もある。

腹部大動脈瘤

<対策>
・肥満や喫煙は高血圧になり、大動脈瘤のリスクを高めるので避ける。
・レントゲンや超音波検査で見つかることもあるので、定期的に検査を受ける。
<治療>
・破裂してしまったら、救命のための手術を受けるしかない。
・破裂前の無症状の時に手術をすることで、破裂を防げることもある。

帯状疱疹

<対策>
・2歳までに接種が義務付けられている水痘ワクチンは、50歳以上でもう一度接種することができます。
・免疫力を低下させないように、食事や睡眠をしっかりとって体調管理をしましょう。
<治療>
・皮膚科を受診して抗ウイルス薬を処方してもらい、服用する。
・痛みがひどい場合は鎮痛剤の処方やブロック注射を打つ場合もある。

日常生活の過ごし方で起こる腰痛


病気や怪我までは及ばないものの、日々の生活の中で腰痛が起こる場合は、どのような原因があるのでしょうか。

日常生活で腰痛が起こるきっかけは?

加齢 骨が弱くなり、筋肉量が減少して腰にかかる負担が大きくなる。
運動不足 腰の筋肉が減少して腰への負担が大きくなる。肥満はさらに負担が大きくなる。
姿勢が悪い 猫背や反り腰は腰への負担が大きくなり、筋肉が緊張しやすい。
長時間同じ体勢 腰の筋肉が緊張して、血流が悪くなる。
寝具が合っていない 柔らかすぎたり、硬すぎたりすると腰に負担がかかる。

対策や治療方法

日常生活の中で起こる腰痛は、筋肉の緊張によるコリが多いです。
発症を予防するためには、腰やお腹の筋肉を増やして腰を支える力を強くする事が効果的です。
また、腰のコリを緩和させるために、整骨院などでマッサージを受けるのもよいかもしれません。
原因別の詳しい対策は、以下の通りです。

  • 加齢…カルシウムやたんぱく質を摂取して骨を強化する。
  • 運動不足…定期的にウォーキングやヨガなどの軽い運動をする。
  • 姿勢が悪い…正しい姿勢を常に意識する。
  • 長時間同じ体勢…合間に腰を左右に動かしたり、伸ばしたりのストレッチをする。
  • 寝具が合っていない…店で測定器を使って、体に合った寝具を使用する。

まとめ


いかがでしたか?多くの方が悩んでいる腰痛には、様々な原因が隠されています。
病気が原因の場合もありますので、早期発見のためにも定期的に病院で検査を受けることが大切です。
日常生活の過ごし方で起こる腰痛は、筋肉の緊張によるものがほとんどですので、運動や筋肉を鍛えることで防げる場合があります。
この記事を通して、皆様の悩みが少しでも軽減されることを願っております。